スカラーシップ・ボーイというのは、奨学金をうけることで大学などへといった人
のこととなりますが、日本では日本育英会なんてのがあって、ここからお金を借りて
大学にいくというのは、いつころからのことなのでしょう。(調べたらすぐにわかり
そうです。かっての育英会というのは、最近は名前をかえてしまっていますが、
昨今の低金利時代に、とんでもなく高利といわれていますが、借りても返還すること
ができない人が多くなって問題化していることです。)
戦前の日本においては、よほど優秀でありましても、上級学校に進めるひとはごく
限られていて、ほとんどは高等科をでたら家の手伝いをするか、奉公にでるしかな
かったのでありましょう。それこそ篤志家からの奨学金を受けて進学するというの
は、極めて例外的でありましたでしょう。
今回のみすずアンケートには、そうした極めて例外的な存在から著述家となった
人についての本が取り上げれていました。
その人は、地方の素封家から資金援助を受けて学校をでたのではなく、丁稚奉公し
たところで学ぶことの楽しさを覚え、独学で研究を続けて、歴史家となられた方です。
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- 作者: 中塚明
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にすることがなくなっている山辺健太郎さんについての著作です。
この山辺さんのユニークな生い立ちについては、ご自身でも著作を残しておられま
す。
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- 作者: 山辺健太郎
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「奇人山辺さん、自由人として一人で日朝関係史の大きな成果をあげた。
わたしも上京して憲政資料室に行くと、よく京都から来たと親切にしてもらった。」
この本をあげている作家 徐京植さんは、山辺さんについての小尾俊人の文章を
ここで紹介していました。
「山辺さんは独学の人、いわゆる学歴はなかった。『学問に学歴はいらないが、努力
はいる』(氏のことば)。・・人間がロボットを模範とする現代では、こうした存在
は、稀であり、かつ困難であろう。」(この小尾さんの文章の初出は1992年6月との
こと。出版ダイジェスト)
みすず書房の小尾さんについては、近刊で宮田昇さんの本がでると案内されていま
したが、みすずからでた「現代詩資料」には、小尾さんによるものと、山辺さんによ
るものがありまして、それらは学者さんたちにとっての一級資料なのでありました。
「学歴より努力」でありますね。