このごろのテレビから

 本日のニュースを見ていましたら東証の平均株価が、何年ぶりかで割り込んだとか、
円高がきびしい局面になっているということで、空前の金融緩和によるあべのミック
スカンフルも、一時の支えにはなったのかもしれませんが、第二、第三というところ
まではたどりつかないようです。これで終われば、国民にとんでもない巨額の借金を
残しただけとなります。
 世界規模でひどいことになっているので、政権だけが問題とはいえないものの、こ
の道しかないと、必要以上にミスリードをしていたとすれば、そこは批判されること
になるでしょう。
 しかも、その勢いをかっての強権政治と、ひどく質の悪い大臣たちを任命したこと
は責任問題であります。幸いなのは、野党もひどいことでありまして、いつからこん
なことになったのかと、成人してからずっと選挙では投票を続けてきた身としては、
考え込んでしまうことです。
 それこそ、長いものには巻かれろ的に権力に迎合していくマスコミも、ここがふん
ばりどころです。
 先日にNHK教育(eテレはないでしょうよ)を見ていましたら、「こころの時代」
鎌田慧さんが出演して、持論を展開していました。鎌田慧さんといえば、現在の
NHK会長のスタンスから一番遠いところにいる人で、この人のために一時間番組を
つくって放送したというだけで、この制作スタッフにエールをおくりました。
もちろん、番組で鎌田さんは、反原発、反安保といっていました。
鎌田さんは、NHKに対して借りはないでしょうし、別にNHKに依存して生活をし
ているわけではありませんので、こうした発言ができるのでしょう。
 もうひとりNHKの番組での発言が耳に残ったのは、クローズアップ現代に出演し
樹木希林さんでありました。もともとはがんにかかった人として、「死くらい好き
にさせて」というのがテーマでありましたが、樹木希林さんの締めの発言は、この
番組のキャスターである国谷裕子さんさんへのエール(国谷さんはNHKの宝とい
う)でありました。もちろん、これは3月いっぱいで番組を外れる国谷さんへの応援
です。唐突な感じも受ける樹木希林さんの発言でしたが、樹木希林さんがこの番組
への出演を承諾したのは、この一言をいいたかったからでありますね。
 この方も、どこの放送局から要注意として声がかからなくてもかまわないという
覚悟があるのでしょう。病気のこともあって、それとくらべると、放送局からほされ
ることなど、なんも怖くないということですか。
 NHKの職員たちは高い給料をもらっているのだから、いまの体制に嫌と思っても
やめることはできないというと身も蓋もありません。きびしい状況にあっても、変化
球を投じることで、表からみたら政権讃歌で、裏からみたらまるで違って見えるとい
う番組つくりであってほしいものです。そうした在り方こそ、今は望まれているので
はないですか。