「みすず」読書アンケート 4

  スカラーシップ・ボーイつながりでトニー・ジャットさんの「20世紀を考える」
となりますが、当方がただいま図書館から借りて読んでいるこの本を「みすず」の
アンケートであげている方がいました。
 その方は、まず「スターリン 青春と革命の時代」をあげて、次いで「ブラッド・
ランド」をあげたあとで、「20世紀を考える」をあげています。
この本についてのコメントは次のようになります。
「この流れで、ようやくトニー・ジャットのこの本に行き着いた。ジャットが最晩年
に語り残したことがテープ起こしされているのだが、その聞き手が『ブラッド・ラン
ド』の著者スナイダーなのである。・・ジャットはロンドンに生まれたユダヤ人だが
東欧系ユダヤ人という意識を強固に抱いている。ジャットのなかには、スターリニズ
ムに行き着いたマルクス主義への批判とアメリカ合衆国ネオリベラリズムへの批判
が生き生きと存在している。この両面批判がイギリスの批評的伝統と一体化している。
つまり、私がいま自分の求めている方向が、ジャットのうちには、スナイダーにもま
して体現されている。大慌てでジャットの『ヨーロッパ戦後史』を買い込んだ。そう
いう意味で、私にとってこの一連の読書体験の収穫は大きい。」
 このようにコメントをしているのは、大阪文学学校の校長で、詩人、大学教師の
細見和之さんでありました。
「図書」に掲載されていた文章などにより、注目している細見さんでありますが、
なかなか本格的な著述には手が伸びておりません。今回の読書アンケートには、
細見和之さんの「石原吉郎 シベリア抑留詩人の生と死」をあげている方がお二人
ありです。お一人は、細見さんの恩師である徳永恂、もうひとかたは詩人の阿部
日奈子さんでした。 
 阿部さんは、「粘り強い調査で評伝としても信頼にたる本書だが、なにより震撼さ
せられたのは石原の(告発しない意志)をめぐる考察だ。」とあります。

 細見さんには、金時鐘さんについてのものもあって気になっているのですが、これ
もですね。