野坂昭如さん

 野坂昭如さんが亡くなられました。
 ずいぶんと前から体調を崩され、行動などは自由にならなかったようですが、口述
で短いものを発表されていまして、なんとか最後まで現役であることができたようで
す。
 亡くなったことを伝えるニュースでは、代表作「火垂るの墓」といっていましたが、
たしかに野坂さんのものでは、この作品が一番著名であるものの、それはジブリ
アニメとなったからではないかという声があがっています。
 野坂さんが「エロ事師たち」で1963年にデビューした頃、当方は、田舎の中学に
入学したばかりでありまして、そういう作品が話題になったことは承知していました
が手にすることがなく、1966年に単行本となり映画化された時には高校生でしたが、
映画館に足を運ぶこともなしでした。
 平和主義者 野坂昭如ということを否定するものではありませんが、それは他の
作家にもっと似合う人がいそうでありますので、野坂さんは世間の顰蹙をかうような
作家ということで評価をしていきたいものです。
 たぶん、当方が最初に読んだ野坂作品を、当方は偏愛であります。

好色の魂 (新潮文庫)

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