今年も鮭児文学賞

 昨日の北海道新聞には豊崎社長のページがありました。
「月日のたつのは早い者で、第三回鮭児文学賞を発表する時期がやってまいりました。
今年もいろんなことがあったわけですが、親愛なる道民の皆さんはもちろん、トヨザ
キ的にも大変ショックだったのが、札幌くすみ書房の閉店。独自の企画が素晴らしい
書店だったので残念でなりません。こういう個性的な街の本屋さんが少なくなって
いく状況、なんとかならないのかな。」
 こういう書き出しで、鮭児文学賞の発表ははじまります。これは本当にもっと話題
になってもいいのにと思うのですが、ほとんどネットに拡散しないというのは、
「親愛なる道民の皆さん」どうなのよであります。
 最近の全国紙の読書欄をいくつかチェックしているのですが、たまには豊崎社長の
ような切り口のものが掲載されてもいいのになと思います。そういえば、数か月前に
ラッキー池田さんが朝日新聞には登場して、これは良かったけどね。
 ということで、第三回鮭児文学賞のノミネート作品は、次の三作です。

淵の王

淵の王

女たち三百人の裏切りの書

女たち三百人の裏切りの書

悪声

悪声

 残念ながら、どの一冊も読むことができておりません。どれか一冊でも手に取った
ことがあればよかったのですが、ほんとこれは淋しいことです。
そういえば、ノミネートされている古川日出男さんは、第一回鮭児文学賞を受けた方
でありますが、今回の作品は「再度ノミネートせざるを得ない傑作」と豊崎社長は
いっています。
 三作品のノミネート理由をみただけで、これは読んでみたいと思ったのですが、
どこで手にすることができるでしょうね。
 そうだそうだ、第三回鮭児文学賞に輝いたのは、いしいしんじさんの「悪声」で
あります。
「とてつもなく<ええ声>の持ち主が主人公の小説のタイトルが、なぜ『悪声』な
のか。物語中に時折現れる<わたし>とは誰なのか。ふたつの謎が判明するラスト
がもたらす清々しい感動は格別です。声とうたと世界とラブと。」
 この紹介をみますと読みたくならない人はいませんですね。