久しぶりの 3

 久しぶりのというのは、ブックオフとつながります。そこで購入した本を話題とし
ています。
 まず一冊目は映画監督 井筒和幸さんの「民族の壁どついたる」です。

 刊行は2007年5月で、これは井筒監督の「パッチギ! LOVE&PEACE」の公開にあわ
せたようなところがあり、しかも中学生向けにわかりやすく書かれていることもあっ
て、なんとなくつっこみどころ満載の本です。
 最近のように嫌韓本などが多くなるとは思ってもみない時代のものですし、ヘイト
スピーチをもっぱらとするデモが社会問題する以前の本であります。
この時代でしたら、編集者も相当に気をつかってチェックするでしょうね。
 たとえば、次のようなところです。
「しかし、在日コリアンは選挙に行けない。 
 大阪に生野区という地域があります。ここは昔、朝鮮人の労働者が多く移り住んだ
地域で、現在も在日コリアンが住民の多くを占めています。生野区の人口の約四分の
一が在日ですよ。それなのに、自分たちの区長さんを選ぶ権利がないんです。」
 あちゃーですよね。
 在日コリアンに日本の選挙権がないのは現実ですので、これは違っていません。
もちろんちがっているのは「生野区の区長を選ぶ」というところでありまして、
これは大阪の区長は選挙では選ばれていないのですから、この本に難癖をつけるひとは、
こんなことも知らないでというのでありましょう。
 当方は、ご愛敬と許してしまいますが、それが強制連行とか従軍慰安婦といったこと
に関してとなりますと、異論が多くでるでしょうね。
 この時のブックオフでは、関連書をもう一冊購入しておりました。
在日一世の記憶 (集英社新書)

在日一世の記憶 (集英社新書)

 最近あまり見かけることのない集英社新書。780ページという厚さで、圧倒的なもの
です。こちらは在日一世の方々からの聞き取りですから、主観がまじりまして、この
記憶にどう向き合うかであります。