白水社百周年

 本日の新聞には白水社の大きな広告がありまして、それには「白水社創立百周年」
とありました。白水社は、社員40名とありますので、意味もなく大きくならずに、
よくももちこたえたものです。
 これを記念しての復刊リストがありましたが、そこにはユルスナール「黒の過程」
とかチャトウィンパタゴニアふたたび」など全8点があがっています。
白水社といえば、フランス文学に強いという印象があります。当方が最初に手にし
白水社のものといえばなんだろうかですが、「黄色い本」と呼ばれている「チボー
家の人々」が最初でしょうか。
 そのあとは、「新しい世界の文学」というシリーズにはいったものでした。これ
を引き継いだものではデビッド・ロッジのものを買わせていただきましたが、ロッジ
は英国の作家でした。
 フランスものに話を戻すと、昔のものにはフランス装のものがあったり、表紙だけ
を見ましたらフランスのものかと思うようなものがありました。

 上に掲げたのは、ラブレーの「第一之書」表紙ですが、これは白水社のもので、
これの後ろ側には、白水社刊 二六〇三年と押されています。2603年というの
ですから、これは皇紀でありまして、この本が昭和18年に刊行されたというだけで
も不思議な気分になります。