やはり野に置け

 まずは本日の新聞読書欄から話題をいただきです。本日の一番の話題は

読書編集長のコメントにでています。今の読書編集長はベテラン記者の

村山正司さんでありまして、思い切った紙面作りをしてくれないかなと期待

しているのですね。そのわりにまだ変わっていないなと思って、前週の読書

欄を話題としました。 

 それで今週の編集長コメントであります。

「上の欄をご覧ください。今月から新しい書評委員に藤原辰史さんを迎え

ました。藤原さんは著書『給食の歴史』『トラクターの世界史』などで、

食や農業という視点から世界の仕組みの歴史的根源を探ってきました。

 これで書評委員は計20人になります。」

 上の欄というのは、藤原さんによる朝日新聞の最初の書評でありまして、

編集長 村上さんの期待の大きさがうかがえます。ちなみに藤原さんが取り

あげているのは次のものでした。

  藤原辰史さんの書評といえば、当方にとっては読売新聞で、普段あまり

なじみのない新聞で、不思議な光を放つのが藤原さんの取り上げる本であ

りました。

 読売新聞の基調とほとんど相容れないような藤原さんを思い切って起用

した読売読書欄はすごいと思うのですよ。

 それとくらべると朝日で藤原辰史さんの書評を見ても、あまり意外な感

じがしなくて、インパクトが弱いような気がしますね。

むしろ読売で仲間を広げるようなゲリラ活動のほうが、傍目には面白く感じ

るのですが。

 藤原さんが朝日に呼ばれるまえに、読売からもうけっこうですといわれた

のでしょうかね。

 学術会議に推薦された権力者批判の学者を内閣が任命しなかったというの

であれば、自社に批判的な書評子を採用するというのもありでしょうが、そ

れでも小川榮太郎さんクラスはなしでありますね。