先日にブックオフへと立ち寄ったときに、どうしてこんな本がここにあるのだろう
と思って驚いた話を記しましたが、本日は購入したものの話であります。
108円のシールがはられて未来社の本がありました。東方の行く店で未来社の本は
あまり見かけないものなので、これを手にしました。
- 作者: 豊田正子
- 出版社/メーカー: 未来社
- 発売日: 1985/07/01
- メディア: 単行本
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かたでありますが、「田村秋子とわたし」とはどういうことだろうかと思ったので
あります。最初に「田村秋子」という名前を見たときには、この方は文学賞に名前を
残した人だなと思ったのですが、これはもちろん勘違いでありまして、こちらのほう
は田村俊子さんでした。
立ち見でなかをのぞいたら、集合写真が扉の次にありましてそれには田村秋子さん
を中心に、左に女優の南美江さん、右に豊田正子さんがうつっておりました。
田村秋子さんは、新劇の名女優さんとあります。豊田さんがその舞台を見ていないと
いうのですから、当方が知らなくとも不思議ではないことです。
田村秋子さんに対する関心よりも、この豊田さんへの興味で購入を決めたようです。
「そのあと、私の前に左翼作家Eがあらわれた。ここで私は、すこし利口な人間なら
絶対にしないであろう結婚をした。Eとは年が三十以上離れていた。二十八と六十
だった。左翼作家Eの豊富な左翼的言葉は、無学無思想の私を、幸福な夢の世界にさ
そいこむのに充分だった。」
ネットで検索すれば、このEなる作家の名前はでてくるのですが、こういう時代で
ありました。
同じブックオフで文庫棚を見ていましたら、豊田正子さんを一躍有名にした「綴方
教室」がありました。同じ方が手放したのかどうかですが、あわせて購入となりま
した。
- 作者: 豊田正子,山住正己
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1995/07/17
- メディア: 文庫
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この本がでたのは、1995年7月であります。ちょうど20年前になるのですね。
編者による解説には、次のようにありです。
「本稿執筆中、衆議院で採決された戦後五十年にあたっての『国会決議』の内容が
問われている。そこには侵略や植民地化の事実とそれに対する反省、アジア諸国の人
たちへの謝罪が欠けており、アジア各国から、日本は反省と謝罪のほとんど最後の
機会を逸したとの批判が起こっている。」
この時には、戦後五十年という大きな節目でありましたので、「国会決議」がな
されたということを、あらためて知りました。
現在の状況については、なにおかいわんやであります。