ブックオフで 3

 先日に豊田正子さんの本に手がいったのは、作家 小沢信男さんが「芸術新聞社」
のホームページに「私のつづりかた」という連載をしていることも影響しているで
しょう。( http://www.gei-shin.co.jp/comunity/30/1.html )
 六月で満八十八歳となった小沢さんは、毎月「みすず」表紙裏に「賛々語々」と
芸術新聞社ホームに「私のつづりかた」の二本の連載を続けておられます。
「みすず」のほうはすでに5年をこえています。高齢で連載を続けているといえば、
上には上があって日野原医師のような方もいらっしゃいますので、まだまだ小沢さ
んは若い若いです。
 「私のつづりかた」は、小沢信男さんが泰明小学校2年生のときに学校でかいた
作文と絵に、自らコメントをつけるというものですが、実に80年の時間の経過であ
ります。
 小沢信男さんは1927(昭和2)年のお生まれで、銀座の泰明小学校2年ですから
1935(昭和10)年のつづりかたです。
 一方、豊田正子さんは1922(大正11)年のお生まれで、葛飾区立石の本田小学校
3年の時(1932年)のつづりかたをまとめたのが「綴方教室」となります。
年齢は5歳差でありますが、都心の比較的恵まれたお宅で育った小沢さんと、とても
貧しい家庭で育った豊田さんのものをならべて読んでみましたら、なにが見えてく
るでしょう。
 どちらのつづりかたも、当時の時代をこどもたちの眼を通して描いたものとなり
ます。