読んでいた本

 長編小説を読んでいるのですが、それだけではちょっとつらいので、あれこれと
読みやすいものをつまみ読みしています。
 昨日まで箸休めとして読んでいたのは、原武史さんの次のものでありました。

 当方は西武鉄道の沿線には住んだことがないのですが、一年だけ京浜東北線蕨駅
もよりとなる川口芝園団地という住宅公団の賃貸住宅に住んだことがありました。
原さんが、子どものころにお住まいとなったひばりヶ丘とか滝山団地よりもずっと
後に、整備されたものですが、同じような高層アパートが密集する大団地でありまし
て、こういう団地は、大都市圏でなくては存在しないものです。
 団地が整備された時代と、その土地の事情が違うせいもありまして、この団地に
住んでいた時に、団地の自治会活動のことなどに感じることがありませんでした。
そういう意味からは、この本で描かれている時代の西武沿線団地は、ちょっと雰囲気
が違ったのかもしれません。
 当方が住んでいた団地も高齢化が進んでいるようで、当時子どもたちが在籍した
団地内の小学校は、2008年に廃校となったそうです。その団地は、仕事場こそあり
ませんが、学校から診療所、商店街、銀行(今は亡い平和相互)などもありました
ので、それこそ島ではないものの軍艦島のような趣でありました。
 この本でも参考としてあがったいますが、西武鉄道の堤家の土地取得に関しては、
猪瀬直樹さんの「ミカドの肖像」がありますが、これがなんとなく後半の部分になる
と、こちらの関心とはずれてしまうのとくらべますと、こちらの原さんの著書のほう
が、ずっと「ミカドの肖像」というにふさわしい内容であります。
 もちろんこの場合「ミカド」というのは、堤康次郎さんのことになりますが。
 ミカド家の二代目は、アイスホッケーが大好きでありまして、その世界の大パトロ
ンでした。いろいろとあって、二代目さんが引退して、とにかく残念なことは、
日本のアイスホッケー界が後ろ盾を失ってしまったことで、この二代目さんは野球場
にはめったに足をはこばないが、東伏見のリンクには良く足をはこぶといわれて
いて、当方がたまたま東伏見のリンクにいくため、西武線の駅に降り立ったときに、
その駅の雰囲気が異様であったのを感じたことがありますが、ちょうどその日は、
二代目が電車をつかってリンクに来る予定であったとのことでした。