ショックな話

 日本では、毎日のように会社が倒産しているわけで、そのほとんどは話題になること
もなく、姿を消していくのでありました。今朝の新聞には出版社の老舗 美術出版社が
民事再生法の適用を申請したとありました。負債総額は20億円といいますので、小型
倒産でありますが、普通の出版社というのは経営規模が小さいことがわかります。
 かって倒産して、それから復活をとげた筑摩書房のようになってくれればいいので
ありますが、これはどうなりますでしょう。
それにしても最近は、まったく美術出版社の本と縁がなくなっていることであります。
この会社で一番印象に残るのは、中井正一全集全四巻ですが、これを話題としたときに
これを出していたときが美術出版社にとって一番いいときであったかと記しておりまし
た。( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20100224 )
 たしか、どこかに80年の頃の美術出版社図書目録があったはずですが、残念ながら、
これはすぐにはみつかりそうにありません。
 かっての出版社は、けっこう良い場所に自社ビルを構えていたのでありますが、美術
出版社は以前の経営危機の時に、市ヶ谷の自社ビルを売却して危機を抜けたのですが、
今回は、そういううまい話はなかったようです。
 今、キーボードをうっているところから見えるとこに、美術出版社の本はあるだろう
かと思ってみましたら、「季刊 みづゑ 1987 冬」号がありました。渋澤龍彦を追悼
した特集号であります。これ以来縁がなくなっていたのかな。