駆け足で読了

 昨日の夜からミステリーの文庫本を手にしていました。昨年から話題になっている
次のものです。

その女アレックス (文春文庫)

その女アレックス (文春文庫)

 ずいぶんと評判がよろしいので、どんなものかと思っていたのですが、先日に本屋
へといった時に購入しました。どのタイミングで読むことができるだろうかと思って
いましたが、思いのほか早くに読むことができました。これはよかった。
 つい最近にパリの新聞社がテロで襲撃されるということがあり、そのニュースを見て
いたこともあって、フランスのパトカーの雰囲気などを見てはおりましたが、この小説
の警官たちも、あのようなパトカーで現場にかけつけるのかと思いながら、読みすすめ
ていました。
帯には「101ページ以降の展開は誰にも話さないでください」とあります。読んで好きに
なるかどうかは別でありますが、手のこんだ小説であることは間違いないことです。
 あちこちにではないのですが、何カ所かに、次のようなくだりがあって、これがたの
しめることです。
「クリニャンクール門から引っ越したときにはブリクセンとフォスターをすべて処分し
たし、コメルス通りから引っ越したときにはツヴァイクとピランデルロを処分した。
シャンピニーを出るときにはデュラスを全部置いてきた。いつもそんな調子で、ある
作家が気にいるとその作品を全部読むので、引っ越しのときには本が山になっている。」
 登場人物の女性は、相当な読書家であるように思います。
デュラスというのはなんとなくわかりますが、ブリクセンとフォスターで、ツヴァイク
ピランデルロですからね。これはすごいこと。