駆け足で読了 2

 今年は、すこし本を読みたいと思っていますが、なかなか思うにまかせずでした。
駆け足で読んでいたのは、昨年のミステリ六冠王「その女アレックス」であります。

その女アレックス (文春文庫)

その女アレックス (文春文庫)

 登場人物の「アレックス」さんは、登場人物紹介によりますと、「監禁された女、
非常勤の看護師」とあります。年齢は30歳だそうです。
フランスの30歳の女性は、どのようなものを読んでいるのかでありますが、これが
ちょっとすごすぎです。
 昨日に引用したところには、ブリクセンとフォスター、ツヴァイク、ピランデルロ
そしてデュラスの名前がありました。「作家が気に入ったら、その作品を全部読む」
とありますので、ツヴァイクの場合でしたら、そうとうの冊数になりそうです。
それにしても、この作家をよんでいる30歳の女性とは、どんな人かであります。
ブリクセンは、もちろんデンマークの作家で別名でも作品を発表していますが、
翻訳はでていますが、どのくらい読まれているでしょう。
フォスターとあれば、これはE・M・フォスターで英国の作家でしょう。どんな作品を
最初に読んだのでしょうね。日本ではみすず書房から作品集がでていますね。
文庫でも何冊か入手可能ですね。
 ピランデルロとは渋いことでありまして、日本では戯曲が翻訳されていて知られて
いますが、なんとこのピランデルロさんは、ノーベル文学賞を受けているのでした。
ツヴァイクはドイツの作家ですから、デュラス以外の作家のものは、翻訳で読んでい
たのでしょうか。
 後段のところでは、「アレックス」さんの蔵書が紹介されているのですが、次の
ように書かれています。
「本はほぼ二箱文あった。ペーパーバックばかりだ。セリーヌプルースト、ジッド、
ドストエフスキーランボー、・・・タイトルを目で追った。
『夜の果ての旅』、『スワンの恋』、『危険な関係』、『谷間の百合』、『赤と黒』、
『グレート・ギャッツビー』『異邦人』・・・・・
『高校生の本棚みたいですね』ルイがようやくいった。
 確かにどれも厳選された名著ばかりだ。すべて読んだ形跡があり、多くは繰り返し
読まれたようで、なかには文字とおりぼろぼろになっているものもある。各所に下線が
引かれていて、それが最後のページまで続いているものもある。
また感嘆符や疑問符、大小の×印も書き込まれているが、ほとんどは青インクでかかれ
ていて、色あせてしまっている。」
 アレックスさんは、沢山読んでいるのですが、手元においていたものと、処分した
ものにすこし差があるように感じました。