古本倶楽部 2

 中野書店といえば当方にとっては「古本倶楽部」であります。中野書店が神保町の
店を閉めたからといって「古本倶楽部」がなくなるわけではありません。
 とはいうものの、中野書店のご主人が亡くなったと聞きましたら、これまでの恩に
報いるには「古本倶楽部」を話題とすることしか、当方には方法がありません。
 ちなみに昨日に表紙を掲げた1988年7月刊 21号には1646番まで商品が掲載されて
いるのですが、この号から注文をした形跡がありません。送っていただきながら、
注文をしないことが続くこともありました。三回も空振りが続いたら、もう送っても
らえないのではないかと思ったりしましたが、ありがたいことに切れずに現在に至っ
ています。
 今月にも夢二の絵が表紙を飾る2014年12月282号を送っていただいておりました。

 表紙を一枚めくりますと、そこに紙が挟み込まれていまして、そこには神保町本店
閉店のご挨拶とありました。
「昭和53年、神田古書センターオープン以来、この地で営業を続けて参りました中野
書店ですが、この度諸般の事情により、来年1月31日を持ちまして、神保町店を閉店す
る運びとなりました。長きに亘りご愛顧いただきまして、誠に有り難うございました。」
この文章の最後は、「平成二十六年十二月 有限会社中野書店 代表取締役中野智之」
で締められていました。
 思えばこの時、中野さんは死の床にあったのでしょうか。
 この282号の最後のページには、急ごしらえのように次のような告知が掲載されて
います。
「現在、店舗では閉店に伴いまして中野書店の神保町時代の企画展示を行っております。
その頃をご存知のお客様、よろしければ思い出やコメント等をお寄せください。店内へ
の展示の一部として、もしくは1月号の目録に掲載さえて頂きたいと存じます。
匿名希望のお客様はその旨もお申し付けください。」
 当方は残念ながら状況のおりに数回立ち寄ったことがあるくらいで、実店舗への思い
出はほとんどありませんが、中野書店の「企画展示」というのは気になることでああり
ます。

 これは裏表紙ですが、ここにうつっているのがご主人でありましょうか。