本日手にした本

 本日帰宅しましたら、岩波「図書」、新潮「波」そして中野書店「古本倶楽部」と
到着していました。そのほかに、本日購入した文庫本などもあって、うれしいことで
あります。
 岩波「図書」の編集後記である「こぼればなし」には、京都シルクホールで開催され
た「岩波書店創業百年記念シンポジウム これまでの百年、これからの百年」の様子が
短文で紹介されています。そういえば、いまから40年近くも前に京都で岩波文化講演会
というのが開催されたことがありまして、ちょうどその講演会に足を運びました。
会場は岡崎の京都会館で、このときの講演者は安岡章太郎さんと林達夫さんでありま
した。(もう一人いたように思いますが、これは記憶からとんでいます。いま見てみま
したら朝永振一郎さんとありましたが、そうでしたか。)こちらのお目当ては、ひさし
ぶりで関西にきたという林達夫さんを見ることでありました。
このときの林さんの講演は、後になって岩波より「カセットテープ」で販売されており
ました。
 検索しましたら、「三つのドン・ファン : モリエール歿後300年によせて 
林達夫著  岩波書店 1988.11 カセットできく学芸諸家
:  岩波の文化講演会から 第2集 」とありました。講演は73年10月とありますので、
15年ほどもたってからの販売です。
そういえば、昔は「文化講演会」での講演内容は、岩波「図書」に掲載となったの
ではないでしょうか。
 それはさて、「図書」11月号の「こぼればなし」には、この講演会の瀬戸内寂聴
さん による結びの言葉が強く印象に残っているとありました。
「文化を大切にしない国は滅びる」と結んだようですが、これを聞いた編集子は、
「神韻縹渺のかろやかさのなかに、戦争を知る世代だけが持つ深い危機意識が顔をのぞ
かせた瞬間でした。」と記しています。
 「文化を大切にしない国は滅びる」というのは、昨日まで話題とした「文化こそ戦争
を滅ぼす」に通じることでありまして、戦争を知らない当方も強く共感であります。