先日のブックオフで

 風邪をひいて不調でありましたが、食料品の買い物ついでに、いきつけのブックに
たちよりました。
 この日は文庫本価格が、上限250円ということで、これまで高くて手が出なかった
ものが250円均一であります。こんなことでいいのかと思いながら、助平根性で、
プレミアム文庫ばかりをチェックでありました。たぶん、一番高額であったのは、
文芸文庫のものでしょう。

桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)

桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)

 坂口安吾のものは、ほとんど読んでいませんです。最近はどうなのでしょうね。
これがきっかけで安吾を読むことになるだろうか。 これまた普段でありましたら、パスしてしまうのですが、この値段であれば、
買いです。なんといっても、年譜が充実でありますから、なにかのときに使えるかも
しれません。
 坂口安吾堀辰雄か、堀辰雄は若くしてなくなったのだよなと思って年譜をみまし
たら49歳、安吾も亡くなったのは早かったろうかですが、結核で亡くなった堀辰雄
同じ49歳であるとは知らなかった。もちろん、小生はこの二人よりもずっと年長に
なってしまいました。
 そして、もう一冊。
谷崎潤一郎 (ちくま日本文学 14)

谷崎潤一郎 (ちくま日本文学 14)

 先日に、これを立ち見しましたとき、巻末におかれました杉本秀太郎さんの文章に
目を通しました。これをちゃんと読みたくて、これは購入です。
 杉本さんの解説の見出しは、「おもしろさ第一」となります。
「私は谷崎潤一郎の気楽な一読者にすぎないから、気楽に、思いつくままを書くこと
にする。この機会にあらためて読み返せるだけは読み返し、未読のものもついでに
せいぜい多く読んでみよう。じつは、こう思い立って、谷崎生前の昭和三十四年七月
に全三十巻で完結した中央公論社の新書判谷崎潤一郎全集を次々に抜き出しては読む
幾日かがあった。」
「気楽な読者」というのを文字通り受け取るわけにはいきませんが、仕事で読む本と
区別してのことでしょうか。再読したときのテキストは、「新書判谷崎全集」であり
まして、これは当方が昨年の暮れに安価で入手したものと同じです。これには思わず
にんまりとするのですが、杉本さんがこの新書判谷崎全集をすぐにとりだせるところ
においているのはなぜでしょうね。生前のなんてと記しているところにも、この新書
判全集に思いいれがあるのかと思わせます。