こころざしは高くとも商売としての出版というのは、相当にたいへんであります。
出版社「鉄筆」を起こした方は、出版のプロでありますので、起業することの大変さ
は骨身にしみてご存知なのでしょう。起業しての一冊目が白石一文さんの小説で、
そのあとに辺見庸さんのものが続くことになっています。
ちょうど本日の新聞一面(これは朝日朝刊)さんやつの真ん中に「鉄筆」の広告が
ありました。
「 鉄筆社 創立記念 特別書き下ろし小説
霧の犬 ( a dog in the fog )
辺見 庸
美しくも寂しく怖い、この世の果ての風景。
鉄筆 東京都文京区音羽1−17−11 」
音羽といえば、大出版社の別名であります、代表の方がかって所属した出版社も
音羽に所在していましたが、鉄筆もありといわれるようになって貰いたいものです。
- 作者: 辺見庸
- 出版社/メーカー: 鉄筆
- 発売日: 2014/11/21
- メディア: 単行本
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ています。たぶん中古本でさがせばただみたいな価格で販売されているのでしょう。
- 作者: 辺見庸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/11
- メディア: 文庫
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ば増補決定版となっていますので、是非ともこの版で読まれたしであります。
鉄筆文庫のカバー折り返し部分に、この文庫でのオリジナル収録作品の紹介がのって
います。
第四章となる「極小宇宙から極大宇宙へ」というのは、まるまるこの文庫にはじめて
収録され、そのうちの二つは書き下ろしの文章です。
書き下ろしの一つは「遺書」となっていて、最後には九つからなる「埒もないおもい」
が掲載されています。そのうちの漠とした二つを紹介です。
「 一 時間は原始にむかい逆にながれている。
一 希望はない、絶望をふかめること。 」
辺見さんにほれこんで起こしたと思われる出版社の、鉄筆文庫最新刊のほぼ終わりのペー
ジあるのは、この言葉であります。どちらにしても前途多難なことです。