考える人 文庫特集 11

 新潮文庫の新刊で、最後に購入したものはなんであろうかとノートを開いて確認で
す。どうやら、このあたりであるようです。

根津権現裏 (新潮文庫)

根津権現裏 (新潮文庫)

藤澤清造短篇集 (新潮文庫)

藤澤清造短篇集 (新潮文庫)

 これ以来、新刊を購入していないとすれば、もう二年以上も新潮文庫の新刊には縁が
ないということになります。
 新潮文庫からこれがでたら買いだというものです。元版新潮社刊のものを中心にあげ
てみることにしましょう。
火山のふもとで

火山のふもとで

 元版が2012年だから、まだ文庫になるのは早いかとも思うのですが、これが文庫に
なったら、すぐに買いますよ。
屋根裏プラハ

屋根裏プラハ

 たまたまですが、これも2012年のものでした。田中長徳さんは数えきれないほどの
本をだしていますが、新潮文庫にふさわしいのは、この一冊であります。
 元は新潮ではありませんが、最近は新潮社から本がでることが多いようなので、
文庫にはいるとすれば新潮でしょうよ。
おかしな時代

おかしな時代

 これだけ古書などについての本が多くでるようになっているのに、次のものなどが
文庫で読むことができないというのは、不思議でなりません。何冊かのエッセイ集に
ある本についてのものを再編集してもよろしでしょう。別に池澤夏樹さんの力を借り
なくてもそこそこ売れると思うけどな。
 この「枕頭の書」では、福永が帯広にいたときにだした「ある青春」についての話が
あって、これはとてもおすすめのエッセイです。先日に届いた古本カタログには、
この帯広でだした「ある青春」が写真入りで掲載されていまして、価格は84,000円と
ありました。
枕頭の書―随筆集 (1971年)

枕頭の書―随筆集 (1971年)

 当方がいうまでもなく、多くの人が新潮文庫にはいることを待ち望んでいるのは、
次のものでありまして、新潮社はいつまで文庫にしないでがんばることができるのか
であります。新潮は、これまで旧訳、改訳と行っていて改訳してからはコレクションの
一冊にもいれていますので、まだまだ単行本で売っていきたいということでしょう。
 待ち望まれてから、すでに数十年の時がたっていて、いまでは文庫化にならない
最長不倒の一冊でありましょう。
百年の孤独 (新潮・現代世界の文学)

百年の孤独 (新潮・現代世界の文学)