考える人 文庫特集 3

 当方にとっての新潮文庫、オールタイムコレクションベスト選考の趣となってきまし
た。最近はずいぶんとご無沙汰している新潮文庫でありますが、当方が高校生の頃に、
文庫といえば岩波、角川、新潮とあとは時代小説を集めた春陽文庫とか教養文庫
青木文庫、旺文社文庫などがあったくらいでして、中公もちくまも講談社も文春も
いまだ乗り出していませんでした。
 田舎の町の本屋には、岩波文庫ははいりませんからして、角川と新潮くらいしか
文庫はないといっていいのです。
 1968年頃の大江健三郎さんは人気があって影響力の強い作家でありましたから、当方
は新刊がでるたびに小説を購入し、過去の作品が文庫化されたら、それを買っていま
したですね。ということで、この時期の大江健三郎さんのいくつかの小説が、当方に
とっても新潮文庫です。
 さて、時系列でいったら、次にくる新潮文庫は、なんだろう、これかな。

異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

ペスト (新潮文庫)

ペスト (新潮文庫)

 カミュといえば新潮文庫でありますね。当方は、上の二冊くらいしか持っていないと
思いますが、カミュ(セインにあらずです。)といえば、新潮文庫を思い浮かべます。
上にかかげた表紙は、当方のなじんだものではありませんが。
 時系列といいながらえらくラフでありますが、次にはこれをあげましょう。
フィッシュ・オン (新潮文庫)

フィッシュ・オン (新潮文庫)

 開高健といえば、そのころはベトナム戦争の従軍記を書いているのですが、ほとんど
死ぬことを覚悟して、カメラマンとお互いを写したものが今に残っていて、有名であり
ますが、ベトナムからヨーロッパへと移動して命の洗濯で、釣り三昧の日々をつづった
ものとなります。そのあと開高健さんは、写真入りの本を多く発表しましたが、これが
その最初。とはいうもののこれのオリジナルは朝日新聞社刊でした。