考える人 文庫特集 2

 新潮社「考える人」が文庫を特集しているのは、新潮文庫百年にあわせてのものです
から、ここは新潮文庫を話題にしなくてはいけないですね。
 昨日に記しましたが、当方が一番最初に新潮文庫と出会ったのは「赤い鳥傑作集」で
あるのは間違いのないところですが、これのページを自分でめくって北原白秋の詩を
見たのは、何年生くらいであったのか判然としません。小学校低学年の時とは思いま
すが、まあ2、3年生というところでしょう。いまは手元にないので、ほかにどの
ようなものが入っていたのか、わかっていませんが、白秋の「とんころり」の詩が
収録されていなかったらどうしましょうです。
 昨日に引用したのは、片仮名まじりとなっていましたが、新潮文庫の表記はどうなっ
ていたでしょうね。(いまでも流通していますので、すぐに確認できそうです。)
「赤い鳥傑作選」は自宅にあった文庫本でありましたが、それじゃ自分で買った最初の
新潮文庫はなんであったでしょう。これはほとんどわかっていません。
 ほとんど同世代の早熟な人達は小学校の頃に、あれを読みましたとか中学校ではこれ
を読みましたという文章を発表していますが、当方は、田舎の高校生でありまして、
小説を読み始めたのも遅かったことです。
 高校の頃に、転校することになった女子生徒から「出家とその弟子」をもらうことに
なったのですが、あれは新潮文庫ではなかったでしょうか。
高校の教科書で読んで関心を抱いた大江健三郎の小説を、最初に読むことになったのは、
新潮文庫で、これが当方がはじめて買った新潮文庫であったかもしれません。

性的人間 (新潮文庫)

性的人間 (新潮文庫)

 「性的人間」が文庫化されたのは、当方が高校三年の時でありました。一緒にはいっ
ているのは「セブンティーン」でして、ちょうど18歳になったばかりでした。
「性的人間」というタイトルがインパクトがあって、学校にもっていったら、貸して
ほしいといわれたように思います。
 最近は、大江健三郎さんの世界から離れてしまっているのですが、二十歳前後には
大江作品を新潮文庫で読んでいたことが思いだされます。当方は、「個人的な体験」と
いう作品がいいかなと思ったのですが、この作品が新潮文庫にはいるまで、ずいぶん
時間がかかったという記憶があります。