追悼 松山俊太郎さん 2

 どうして松山俊太郎さんという方に関心を持つようになったのか、今となっては、
わからないのでありますが、澁澤龍彦のつながりか、美学校のつながりかのどちら
かのようです。
 松山俊太郎さんの著書で、文学関係のものをあつめたものは、国書刊行会からの
「綺想礼讃」だけでありまして、どう考えても、これに収録されなかったものが
多数あるようです。
 この「綺想礼讃」には、16ページからなる栞がついていまして、昨日に引用し
種村季弘さんの文章も、この栞からでありました。
この栞には、ほかに堀切直人さん、吉村明彦さん、安藤礼二さんが文章を寄せて
いまして、これが松山さんの理解のための助けになります。
 吉村明彦さんの文章は「松山俊太郎応援団歌」というもので、松山さんが登場す
る知友人の著作を紹介しています。
・ 阿部良雄 「西欧との対話」 河出書房

 松山さんの名前がでてくるわけではなく、「『犬』を以て任ずる男」とありま
して、これをみただけでは、この「男」が松山さんとはわからないことです。
今回、この文章で阿部良雄(もちろん、松山さんとは東大駒場で同学)さんが言及
していると知りました。そういえば、種村季弘さんも同学年。
・ 石堂淑朗 「好色的生活」 講談社
 石堂さんもまた東大の同期でありました。「好色的生活」というのは、70年刊行
とあります。石堂さんが大島渚さんと袂をわかって、長部日出雄さんなどに刺激を
受け、小説の世界にでていった頃の作品のようです。この小説家への転進はあまり
うまくいかないかったといわれています。
 もちろん、石堂さんの、次のものにも松山さんは登場です。
偏屈老人の銀幕茫々

偏屈老人の銀幕茫々

 石堂さんの東大教養学部語学単位の小編成クラスの同級生 種村季弘阿部良雄
松山俊太郎、そして石堂さんと皆さんが亡くなりました。