追悼 松山俊太郎さん

 本日の夕刊に松山俊太郎さんの訃報がでておりました。
 いつか拙ブログに松山さんの検索から訪れてこられたかたがいらして、それで当方も
松山さんで検索をしてみましたら、病床にあることが報告されていました。教え子さん
を中心とする「松山会」という組織があって、闘病生活を支えていたとありました。
相当に病状が悪いのかなと思って、松山会のページを拝見したのですが、83歳での
逝去とのことです。
 松山さんのことについては、石堂淑朗さんの回顧録を話題とした時に触れています。
( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20070502 )
 日本でただ一人、ボードレール悪の華」初版をもっている方というのが、松山さん
の紹介で一番わかり良いものでしょう。それがどのくらいすごいことかといえば、次の
文章でもうかがえるでしょう。
 筆者は、種村季弘さんであります。
「昭和27年の古本市にボードレールの『悪の華』の初版本と第二版が出た。鈴木信太郎
教授が馳せつけると、何者かがすでに入手しさった後であった。その何者かの名が、
岩波文庫版『悪の華』の後記に鈴木教授が明記されている松山俊太郎である。」
 天下のコレクター鈴木教授が、くやしくてくやしくてという逸話は、以下のところで
紹介していました。( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20070526 )
 松山俊太郎さんは、ほとんど本を出さない人でありまして、専門のインド哲学以外で
は、ほとんどこれ一冊であります。

綺想礼讃

綺想礼讃

 国書刊行会、値段が高い、決して読みやすくないにもかかわらず、自分が買わなくて
は誰が買うとばかりに、買ってあたためていましたが、ひっぱりだしてきてから、追悼の
意味をこめてページをめくっています。