ブッキッシュな世界 5

 池澤夏樹さんの「読書癖」の元になったのは北海道新聞に連載のものでありました。
この北海道新聞の連載の前に、全国紙に4年ほど書評をのせていたとあったのですが、
それはどの新聞であったのか、当方は知らずと記しました。
 「LITERARY Switch」第2号に掲載のインタビューには、読売新聞とでているでは
ありませんか。本当に次々と忘れてしまうことです。
 そもそも「読書癖」にしても、こんな本が取り上げられていたかと思うことばかり
です。だいたい、このように記していることすら忘れていることです。
 http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20080517
 今回、久しぶりに「読書癖」を手にしているのですが、その2には、野呂邦暢さんに
ついて記した文章などもありました。池澤さんが野呂さんの短編小説好んでいたという
のは、べつに不思議でもなんでもないことですが、やはりうれしいことでありますね。
 北海道新聞ということもあって、北海道にちなんだ本もたくさん取り上げられていま
す。
「バリ島の老音楽家の生涯を聞き書きで記した本のことを書いた後で、同じように感動
的で、もっとずっと身近な話を見つけて、夢中になって読んでいる。見つけてと言って
も、北海道の人は以前から知っていたはずのもので、東京のような野蛮な土地にいる
ぼくだけが知らなかった。十年ちかく前に北海道新聞に連載となった砂沢クラさんの
記録『ク スクップ オルシペ  私の一代の話』である。
 ぼくが今ごろになてこの本に出会ったのは、これが文庫本の形で再刊されたからだ。
地方の出版物には見るべきものが多くて、特に北海道と沖縄はその宝庫ということは
よく知っている。」

ク スクップ オルシペ―私の一代の話 (福武文庫)

ク スクップ オルシペ―私の一代の話 (福武文庫)

 「北海道の人は以前より知っていたはず」とありますが、これの元版のことは知って
おりました。手にして読んだのは、福武文庫になったことによります。
それこそ当方の身近には、砂沢クラさんの縁者がいました。いまは絶版となってしまっ
たこの本を復刊したのは、その方であったはずです。
ク スクップ オルシペ 私の一代の話

ク スクップ オルシペ 私の一代の話