本日も立ち見を

 本日の夕方に食料の買い出しにでた生協店舗で、週刊文春の立ち見であります。
小沢信男さんの「ぼくの東京全集」をとりあげている坪内祐三さんのコラムのページ
です。昨日に続いて二日連続立ち見ですが、いまだに部分しか頭に入らずです。
買えばいいのですが、週刊文春が4百円と知って、財布の紐が緩まなかった。 
 坪内さんのコラムでは、最後のところで引用されていた小沢さんの「上野わが青春」
という文章に反応したのでありました。「ぼくの東京全集」に収録されている文章は、
ほとんど過去に一度は目にしているはずですが、すっかり頭から失われています。
 先年暮に「fwfqの水に流して」(http://d.hatena.ne.jp/qfwfq/20161229/p1
を拝見しましたら、小沢さんの「わが忘れなば」に引用されている俳句についての
取り上げが、最近刊行された小沢さんの「俳句世がたり」にあるとありました。
 これまた小生は迂闊なことでありまして、「俳句世がたり」初出である「みすず」
掲載時に、この俳句については目にしているはずでありますが、「わが忘れなば」の
なかで、作者不明の句とは結びつかずでした。
「俳句世がたり」と「ぼくの東京全集」は、ここで照応するのであります。
 それで坪内祐三さんの週刊文春コラムであります。「上野わが青春」は、「東京の
人に送る恋文」に収録されたときには「上野・わが青春」というタイトルで、三つの
章からなる文章でしたが、そのなかから冒頭の一章だけを切り分けて収録されたもの
であります。こういう文章に目をつけて一章だけを切り取って収録した編集はよろし
ですね。そして、そこに目をつけてコラムを締めた坪内さんもです。
 当方は坪内さんが引用していた次のところです。
「K子はちゃんと卒業して学士様になり、そして結婚した。相手は私でも松坂シネマ
でもない。例の金盃のご常連で、鋳物の町川口の人らしく、そちらの所帯をもった。」
 鋳物の町川口に嫁いだ友人の女性というのが、ここに登場するのでありますね。
(「東京の人に送る恋文」では、このところは、次のようになっていました。
「ともかくA子はちゃんと卒業して学士様になり、そして結婚した。相手は私でも松坂
シネマでもない、また別の金盃の常連の一人だった。」
 A子はK子になり、相手は鋳物の町川口の人と具体的になりです。K子というのは、そ
の方のイニシャルでありましょう。初出のときに鋳物の町川口とあれば、この部分で
当方の頭にインプットされた可能性がありです。(当方は昭和の終わりの一年を川口で
暮らしたこともあって。)
 そうだ、小沢さんには、この女性のことを句にしたものがあったと、坪内さんの引用
を見て思ったのでした。この句が「ぼくの東京全集」に収録されていれば、この「上野
わが青春」とこの句は照応するのにと思って、句集「東京百景」をチェックしてみるの
ですが、これが見あたらずです。
 どこで見たのかなと、小沢さんの句集「足の裏」「んの字」 豆本版「東京百景」を
のぞいてみたのですが、さーっとみたところでは、いまだに確認がとれていません。
記憶違いではないのと思うのですが、このK子さんについての小沢さんの句を発見する
ことはできるでしょうか。この捜索は明日も継続することになりです。