「本の雑誌」2月号の特集は「古本屋で遊ぼう」であります。
これから新刊本屋を始めようなんて人はほとんどいなくなっているように思えますが、
どういうわけか、これから「古本屋」という若い人はいるようでありまして、現在どこ
そこで修業している何君は、いよいよ開業するようだなんて話が古本系のブログでも
眼にしたりします。
もともと古本屋さんをやってみようという人は、左うちわで暮らしたいなんて思う
ことはないのでありましょう。店をやるよりも客でいくほうがいいやでありましょう。
今回の特集には「古本屋の開業講座」とか、現役古書店主の対談(内堀弘さんと
広瀬洋一さんのもの)などがあるのですが、そのなかにあまり有名でない古書店主
那須太一さんという方の「坂口弘のことなど」という文章がまぎれこんでいます。
この文章は、月の輪書林主人 高橋徹さんへ書簡の形式をとっていますが、表題に
ある「坂口弘」さんというのはあの坂口さんでありますね。
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最近は、ほとんど名前を聞くこともないなと思ったら、坂口さんの所属した団体など
の資料をせっせと買い集めている奇特な人がいると、どこかのブログで紹介されて
いました。
それが那須太一さんで、この方がやっているのが「古書赤いドリル」でありました。
60年代から70年代にかけての極左集団が発行していたアジビラとか機関紙などは、
関心のない人にとっては、紙くず以下ですが、これに歴史的な価値を見いだそうという
のは、ほとんど反時代的な行為であります。
赤いドリルのブログは、次のものです。( http://blog.aka-drill.com/ )
しかし、「本の雑誌」というのはふところが深いことでありまして、2月号には、
もっぱら最左翼に関心をもつ赤いドリルさんのご主人から、現首相のお友達としても
有名になってしまった百田尚樹さんまで登場するのでありますからして。
百田さんは「本屋大賞」を受賞して、大ベストセラー作家となっていますが、もち
ろん当方は、百田さんの小説は読まんでもよろしであります。
そういえば百田作品については、「ちくま」1月号の斎藤美奈子さんの「世の中ラボ」
で、「安倍政権下で読まれた『日本を取り戻す物語』」として取り上げられていまし
たです。