最近読んだもの 3

「enーtaxi」 第41号 杉作J太郎特集の寄稿者に、那須太一さんという名前の方が
ました。最後のほうのページにある執筆者紹介には、「古書赤いドリル店主」とあり
ます。「1968年東京都生まれ、出版社勤務を経て、『古書赤いドリル』を開店」だ
そうです。
 「古書赤いドリル」というのは、相当にユニークなお店の名前でありますが、
ユニークなのは名前だけでなく、お店もご主人もであるようです。
その店の開店準備から現在にいたるまでを、ご主人が自らのブログで発言をしていま
す。( http://blog.aka-drill.com/ )
 開店して間もないころのブログを拝見しますと、お店の棚は、次のようになってい
るとのことです。
「店舗に入って右側上段から、在日文学・朝鮮半島・太平洋戦争(戦記ものはありませ
ん、三光・従軍慰安婦など)・大逆事件アナキズム・詩集が少し・新書が少し・野球。
続いて上段から、国際情勢というか世界の革命関連・戦後の著名な冤罪・死刑囚手記
など大道芸香具師・昭和史・永六輔小沢昭一・浅草・歌謡・古本関連・編集者・
平岡正明・ジャズときまして、
また上段から、比較的新しい犯罪・寄せ場(釜ヶ崎・山谷・寿町)・労働者・怒涛の
新左翼連合赤軍東アジア反日武装戦線新左翼の歴史・闘志列伝・充実の
小嵐九八郎コーナーおそらく、小嵐さんに関しては日本一の品揃えです。
で、下段には少しヤクザ関連。また上にもどり、AV関連・新左翼論文集・上野英信
その周辺の作家・炭坑・秩父事件など・日共・松下竜一連合赤軍モチーフの創作・
屠畜・焼肉・狭山事件被差別部落カムイ伝・一番下に中上健次全共闘モチーフ
の小説など。
最奥の棚は小説です。目立ったところではジェイムズ・エルロイ矢作俊彦など。
真ん中には写真集、特にアラーキーが多いですが、廃墟関連もなかなか、
あとは東京とタイトルに付くもの・そのほか大型本。」
「充実の小嵐九八郎コーナーおそらく、小嵐さんに関しては日本一の品揃えです。」
とあるのを見て笑ってしまいます。縁のない人には、一生縁のない古本屋さんです
ね。
「enーtaxi」 第41号 杉作J太郎特集の那須さんのタイトルは、「不発弾の青春
ワイルドターキーメン古本目録」というものです。いずれも杉作J太郎さんに関わり
のあるものですが、だいたい「不発弾の青春ワイルドターキーメン」というのも見て
も、なんのことかチンプンカンプンです。(「ワイルドターキーメン」というのは、
どうやら杉作J太郎さんの漫画タイトルのようです。)
 この那須さんで一番わかりよいのは、偏愛する東都大学野球に関して書いている
ところでありましょうか。「赤いドリル」の新左翼政治路線にはついていけなくとも、
野球の東都大学リーグと、明徳義塾の野球部に関してのところは、本当にマニアックで
あります。