新潟つながりといっても、旧制新潟高校のつながりであります。
直木賞に名を残す作家 直木三十五の弟が旧制新潟高校の先生であって、その先生
は教え子たちに慕われたという話であります。
教え子で一番有名なのは丸谷才一さんで、丸谷さんの本には、植木清二先生の
ことが良くでてきます。
昨日に引用した「歴史と文芸の間」の綱淵謙錠(昭和18年に旧制新潟高校入学)
さんの解説には、「新潟高等学校時代の先生の<名物教授>としての風貌は、本文庫に
収録されている(したがって本書と併読されるべき)先生の名著『万里の長城』の
解説で、教え子の一人である丸谷才一氏によって詳しく報告されている。」とありまし
た。
丸谷さんによる、この解説は、どこかに収録されていたのだろうか。すぐに確認は
できませんが、ずいぶんと古いものですから、初期の本にでもあるのでしょうかね。
綱淵さんによる解説の続きのところには、次のようにありです。
「昭和52年2月4日、『植村先生の喜寿を祝う会』が東京のさるホテルの宴会所で
催された。」
この時のことについては、丸谷才一さんの「挨拶はむずかしい」にありです。
いまは合本になったものとなっています。
- 作者: 丸谷才一
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「植村清二先生の専攻は東洋史で、はじめは旧制松山高校、のちに旧制新潟高校に
お勤めになった。昭和52年は喜寿に当たるので、まづ松山高校の卒業生が上の精養軒
で、次いで新潟高校の卒業生が新橋の第一ホテルでお祝ひの会を開いた。それに合せ
て、随筆集『歴史と文学の間』も中央公論社から刊行された。その二つの幹事役、
および出版の関係者を先生は招いてくださったのである。」
しかし、それにしても旧制高校というのは、なんと人間関係が密であるのかであり
ます。もちろん植村先生の人徳と言うことはあるにせよです。