本日の買い物

 本日の買い物といっても、本の話であります。
本日は、久しぶりに新刊本屋とブックオフをまわりました。新刊本屋で購入したのは、
まず、次のものであります。

星のあひびき

星のあひびき

 昔は、丸谷才一さんのものは、すべて購入していたのですが、最近はオール読物に連載
のものをまとめたものはパスし、書評をまとめたものは、引き続きで購入しています。
今回の版元は集英社です。最近の書評は毎日新聞がホームグランドですが、
丸谷才一書評集成」なんてのが刊行されても、不思議ではありません。この新著の最後
におかれた文章の書き出しには、次のようにあります。(この文章は、米原万里さんの
「うちのめされるようなすごい本」文春文庫の解説です。)
「詰まらないことを自慢するやつもゐるものだと呆れられるに決ってるが、敢へて書きま
す。日本の文学者のなかで、書評について一番沢山熱心に論じたののはわたしでせう。
昔から、あれやこれやずいぶんいろいろ書いた。もちろん書評そのものも書いたけれど、
書評について論じた。そのなかの主なものは『蝶々は誰からの手紙』というわたしの書評
集の巻頭にまとめてある。」
 前著「蝶々は誰からの手紙」は、マガジンハウスが版元でありました。ここで編集を
していたのは、その昔に大和書房で丸谷さんの「書評集」をまとめた人であったはずです。
普通であれば、今回のものも、マガジンハウスでありましょうが、セールスがよくな
かったかな。
 もう一冊は、岩波文庫です。 長い小説を読むのが好きといっているのですが、時間がたくさんあったころは、この
作品をそろえるのがたいへんでありました。翻訳をとおしてだしていたのは、新潮社で、
当方が学生の頃(70年の初め)には新潮文庫は入っていました。もう品切れが発生して
いて、簡単にはそろわないものになっていたはずです。古本屋の文庫棚には、これの
端本がならんでいたはずですが、そのころは揃えようとは思わずでした。品切れが長く
なってから、新潮社はハードカバーのセット販売をしたのですが、これは手がでなくて、
新潮社のものとは縁がなしで終わりました。
 次に完成した翻訳は井上究一郎さんの個人訳ですが、ちくまの文学大系に収められた
のでありますが、これが完結したのは、いまから30年ほども前ではないでしょうか。
三段組のもので、とっても読み進めることができずでした。その後、これはちくま文庫
となってこれも購入したのですが、やはりまったく歯がたたずでした。
 このあと、集英社文庫とか光文社古典文庫などで翻訳がでるようになっていますが、
これらは手がでませんでした。
 そして、今回岩波文庫で全14冊で刊行開始です。なんとか、これから読みすすめる
ことはできないかと思い、まず一冊目を購入です。
 そういえば、学生を終えて社会人となる何ヶ月かを、野間宏「青年の環」を読みなが
ら過ごしていたことを思いだしました。河出書房からの新装版ですが、生活環境が
かわる時期でありましたが、あの時期でなくては読めなかったと思います。
 これからの半年で、還暦をむかえたり定年退職となったりしますが、こういう時期
に読む小説として「失われた時を求めて」というのは、ある意味ぴったりとは思うの
ですが、さてうまくいくでしょうかね。