今年、話題の本 4

 亀和田武さんの「夢でまた逢えたら」は、19本の文章からなっています。
 描かれているのは、芸能界とテレビ制作の裏話、雑誌にかかわる人々、ひいきとする
ミュージシャンについて、まんがの神様との出会い、ジャズ喫茶と作家について等々、
多彩な題材であります。
 すべての話題に通じている人なんていないかもしれませんが、このなかのいくつかは
同じ時代を生きていたという感じで、今の若い人よりも理解できるぞと思ったりします。
 これを読んで、そうだったのかと思ったゴシップは、次のくだり。
佐野洋子さんに初めてあったのは、私が大学五年生のときだ。二年浪人して、一年
留年しているから、二十五歳だ。・・・・
 ヨーコさんの最初のご主人は広瀬郁さんといって、本の装丁家としては、当時、第一人
者だった。自分の名前からとったヒロ工房というデザイン事務所を、地下鉄表参道と
外苑前駅の真ん中あたりに構えていた。」
 佐野洋子さんのことは、ほとんど知らなかったのですが、気がついたら谷川俊太郎さん
と結婚をしたという話を聞きました。谷川俊太郎さんが選んだ女性というだけで、どんな
人だろうかと思いましたです。この佐野さんの分かれたご主人は、広瀬郁さんでありま
したか。広瀬さんは1974年ころに装丁家として売れっ子であったはずです。
第一人者と書かれるとそうかなと思ってしまいますが、当時の大御所といえば、当方
のあたまには原弘さんのことがうかんでしまいました。
 広瀬さんで頭にうかんできたのは、河出書房のシリーズでして、河出のものを多く
手がけていたように思います。その代表的なものを掲げてみようとおもったのですが、
すぐに見いだすことができません。書棚にあったものでは、川村二郎「限界の文学」
がそうでありましたが、これはカバーがついていない裸本でした。うーむ明日また
探してみることにしましょう。