おくればせながら、今年話題となった本を手にしました。
「本の雑誌」の「私のベスト3」でも嵐山光三郎さん、壹岐真也さんのお二人が、この
本をあげています。
- 作者: 亀和田武
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/04/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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とか、「本の雑誌」への寄稿で名前は承知しておりましたが、TVのコメンテーターをし
ていたというのは、今回はじめて知りました。ワイドショーをやっている時間にTVを
見るような習慣はありませんでしたからして。
亀和田さんは、当方よりも学年で二学年上でありますが、「二浪して一年留年」とあ
りますので、大学を卒業したのは、当方と同じ年でありました。当方の周りにもいた
だろうかな年上の同学年で、かっては学生運動も熱心にやっていたというような人で
あります。いまさら、固い仕事につくなんてことやっていられないと、アルバイト先の
学習塾に就職したとか、業界紙とか小さな広告会社にもぐりこんだというようなことが
聞こえてきたものです。
もともと当方のまわりにいた人は、ほとんど就職活動では負け組のような人ばかりで
ありまして、亀和田さんの職歴などを見ますと、親近感を感じることであります。
「目黒考二と初めてあったのは、ハイセイコーが地方の大井から中央競馬に移籍し、
空前の競馬ブームが到来したその翌年だがら、1974(昭和49)年の秋だ。
大学を卒業したのが、その年の三月だった。ようやく採用された栃木の地方紙を
試用期間なかばで辞めた。東京に戻って、卒業間際にアルバイトしていた編集プロダク
ションでマスコミ周辺の雑用仕事を再び始めてみたが、これも長続きしなかった。」
この時には、すでに25歳でありますからして、いつまでそんな生活をしているのよと
口うるさい親がいわれたらいわれそうであります。
これに続いてのくだりがよろしです。
「活字の周辺で仕事をしたいけど、大手、中堅の出版社に入れる学歴もなければ、それ
に代るような気力や実力の持ち合わせもない。そうしたタイプの若者が仕事を見つける
としたら、業界紙か娯楽誌しかない。娯楽誌というと聞こえはよいが、要するにエロが
売りの俗悪実話誌である。」
エロ系雑誌の編集者からライターを経て名をなしている、その代表が亀和田さんで
ありますが、エロ系の世界から抜け出るというのは、相当に大変であるようです。