年に一度の

 本日は年に一度のお楽しみである山下達郎コンサートがありまして、それにいって
きました。山下さんは当方よりも何歳か年下でありますが、今年に還暦をむかえた
とのことでありますので、元気なアラカンであります。
 山下さんはこだわりのミュージシャンでありまして、ずっとそれを貫いての音楽
活動をしているのですが、それは一口でいうと三ないでありまして、テレビにでない、
アリーナでやらない、本を出さないということだそうです。
 前の二つは、自らの音楽スタイルにあわないというのが理由でありましょう。
常にクオリティの高い音楽を提供するというのをモットーとしています。レコードで
楽曲になじみ、聞き込んでいたが、その実演のために会場に足を運んだらあまりの
しょぼさにがっかりしたなんてことが、昔は良くありました。
 山下さんはレコードと同じかそれ以上の演奏を提供することを目標にステージに
のぞむのでありますからして、これは容易なことではありません。まずはそれを可能
とする腕利きのミュージシャンを集めて、リハーサルを充分にして、ツアーにでるの
ですが、すべてホールでの公演ですから、こんな非効率なことはありません。
 コンサートツアーは4ヶ月に及ぶのですが、数年前からは20代のメンバーが加わっ
てツアーメンバーの平均年齢が下がりました。昨年からは、長くツアーでアルト
サックスを担当していた土岐英史さんが参加しなくなったのは残念でありますが、
それにかわる若手ががんばってソロをとっていました。昨年よりも安心して聞くこ
とができたのは、メンバーとしてなじんできたからでしょうか。
 本はださないといっていますが、自らのCDのライナーノーツのために文章を書い
たりしていますので、文章を発表しないということではないでしょう。今回の
ツアーパンフレットには、自分の音楽についてクリス松村さんや服部克久さんとの
対談を文字おこししていて、これはあわせて4万字ほどになるといっていましたの
で、あちこちにあるこうしたものを集めれば優に一冊となるでしょうが、これを
まとめて一冊にすることは、自らの禁を破ることになるのでしょうか。