寂しくなることで

 昨晩に宮本浩次さんの全国ツアーの完結編ということで、ライブがありました。

完結編は2日連続でありますが、昨日は文字通りのツアーファイナルでありまして、

感慨深いライブになりました。

 元々、宮本浩次さんは、中学校で出会った仲間と結成したエレファント・カシ

マシというバンドの一員で、これまではずっとバンド活動でやってきたのですが、

バンド活動の30年記念ツアーを終えてから、満を持してのソロ活動を開始して、

バンドでは出来ないスタイルの音楽を展開です。

 敏腕プロデューサーの小林武史さんをバンマス、キーボードに招いてアルバムを

発表し、それを引っさげての縦横無尽という全国ツアーでありました。

この宮本さんのソロ活動は、それまでエレカシファンに加えて、ソロになってか

らのにわかファンも加えて、ものすごい評判になりです。当然のこと、公演チケッ

トの入手はかなり困難になりました。

 家人は、ほんとはずかしいくらいのにわかファンでありますが、なんとか公演

に足を運びたいという願いが強くて、北海道での公演を皮切りにあちこちのライブ

のチケットを確保することができて、三会場に足を運ぶことができました。

(当方もご相伴にあずかりました。)

 なぜ何ケ所もいったかというと、これは宮本さんのライブが素晴らしかったから

ですね。まさにライブでありまして、ツアーでありますのでセットリストは決まっ

ていますし、照明とか映像はいつも同じなのでありますが、宮本さんの歌と、

バンドメンバーの演奏はいつも違うのです。長丁場でありますので、必ずしも

いつも最高のパフォーマンスができたのかはわかりませんが、それでも通常で

いけばかなりハイレベルのパフォーマンスになっていたと思われます。

宮本浩次さんの歌は、今が旬でありまして、これから無形文化財人間国宝

になる人の、最高の舞台を見ておけば、将来に孫子にも自慢ができることであり

ますよ。)

 当方が足を運んだライブでは、小林武史さんが最後にコメントで、ここだけの

話ですが、今回はこれまでで一番良かったのではないかなともらしていて、当方

もそれまでのなかで一番良かったと思いましたので、大変満足いたしました。

 それがであります、ツアーも終わりになって、さらに良いパフォーマンスが

展開されたと聞きますと、これはまた足を運ばなくてはと思ったところで、

今回の縦横無尽ツアーの完結編のライブ日程発表です。

 本当にこのツアーのためだけのスペシャルバンドメンバーをバックに歌う宮本

さんを、当分見ることができないとすれば、これはなんとか完結編にも足を運ば

なくてはです。

 完結編の会場は代々木体育館でありまして、これまでのホールとは音響の条件

が著しく劣るので、かなり心配でありましたが、一日目はスタンドでこれは

会場にいたというだけでの満足感でありました。それが二日目は、まさかの

アリーナ10列目という神席で、こちらは音響もまっすぐに伝わってきて、花道を

走る宮本さんも間近に見ることができ、これ以上ないというライブ体験となりま

した。

 それにしても、今回のツアーで披露した曲は、「独歩」「ロマンス」「縦横無

尽」というソロ三部作のものがほとんどで、それに加えてエレカシの曲と、椎名

林檎さんや、櫻井さんとのデュオ曲を一人で歌うという離れ業もあって、なんと

も歌い手としての能力を高さに魅せられました。

 今回のツアーは宮本浩次という人間と芸の見本市でありまして、これに買い手

がつかないわけがない。

 毎回同じことをやるために口パクになったり、歌詞を間違えないようにプロン

プターを使うのが普通のようになっている時代に、宮本浩次の存在感と潔さは

大いに讃えられるべきです。