本日は本屋へ

 なくなってしまった本屋のことを思い出していても、まるで楽しくはありません
ので、町に残っている本屋へせいぜい足を運ぶことにいたしましょう。
 ということで、本日は仕事帰りに本屋へと立ち寄りました。とにかく、本屋に関し
ていえば、このところ当方のおかれた状況は最悪でありまして、市内に岩波新書新刊
を購入できそうなところが、1店のみとなっているようです。うそのようなほんとの
話でありまして、しばらく気になっていた岩波新書を、やっとこさで購入することが
できました。
 この本を買いに走らせたのは、先日にだらだらと見ていたテレビ番組であります。
一昨日の19日(月)のことです。帰宅してから、すこしうとうととしながら、TV東京
系の「ありえへん世界の秘境」という番組をみていました。日本人がめったにいくこ
とのない国をとりあげて、そこに最小限の取材陣を送り込むという、NHKスペシャル
は真逆のような低予算番組です。
 今回は、「ウズベキスタン」を特集していましたが、この国で一番有名で、教科書
にも取り上げられている日本人いうことで加藤さんという人にスポットがあたって
いました。「加藤の家」と壁面にレリーフされたお住まいがあって、これを見ると、
ウズベキスタンでは加藤さんはよほど有名なのかと思わせました。
 ご本人にもインタビューをされて、何をされているひとでしょうかと質問をするの
でありますが、この加藤さんは、「遺跡の発掘やかな」と答えていました。
 その後に名前があかされて、この加藤さんとは、なんと加藤九祚さんのことでした。
なんとなんと、このような番組で加藤九祚さんのことを見るとは思ってもみなかった
ため、本当に驚きました。
 ごく最近、加藤さんの本がでたよねと思って検索してみたら、これは岩波新書で、
次の本でありました。

 この本のカバーには、次のような紹介文がありました。
中央アジアを大きく蛇行する大河アムダリア。古来あまたの文明・文化がその岸辺
で交差し、盛衰を繰り返してきた。その実像は、この半世紀、国際調査団によって、
ようやく明らかにされつつある。若き日彼の地に魅了され、齢九十超えて今なお現地
で発掘調査に携わる著者が、青銅器時代からヘレニズムまでを視野に最新の研究成果
を紹介する。」
 ほとんど現地に骨を埋める覚悟での研究生活であることがうかがえました。
加藤九祚さんという地味な人に光をあててくれたTV東京に感謝しなくては。