きゅうに寒く

 葬儀に出席するために家を一晩あけていて、本日の午後に戻りましたら、家の中が

冷えていて寒いのであります。お天気は曇りで、気温は14度くらいとなります。

こんな時期からストーブをつけていたら、省エネ生活とはなりませんので、すこし服

を着込んで、毛糸でできたすこし大きなひざかけで身体をあたためています。

 戻ったら岩波「図書」10月号が届いていました。今月は「岩波新書相関80年

記念」と記された「はじめての新書」が同封されていました。新書への読書案内であ

りますが、この特集がよろしいのは、はじめての新書として三冊を推薦するところ

です。

この新書岩波に限らずでありまして、推薦者93人のなかには三冊すべてを岩波新書

以外から選んでいる方もいらして、なかなか興味深いものです。

 このPR誌は、すこし時間をかけて見てみることとしましょう。

 「図書」10月号には、10月新刊として「加藤周一はいかにして『加藤周一

となったか」の案内がありました。 

 「はじめての新書」で加藤周一さんの「羊の歌」を あげている人もみかけました

が、この鷲巣さんの新刊紹介には、次のようにあります。

「『羊の歌』は戦中戦後の日々を冷静に見つめた知識人の半生記として長く読み継が

れてきた。その言葉に真摯に向き合って、語られることのなかった事実、そして虚構

を明るみに出し、知の巨人の新たな像を発見する。」

 拙ブログでもちょっと触れたことがあるように思いますが、もともと「羊の歌」は

半生記として読まれていましたので、これは実録として受け止められていたわけで

す。もちろん、加藤さんの個人についての情報がなければ、本人が半生記といってい

るのだから、そのまま受け止めるしかないわけです。

 しかし加藤周一さんは、評論家でありますが、その前は小説家でありましたので、

そういう操作がなされていても不思議ではないですね。

 今回の鷲巣さんの本の紹介には「虚構を明るみにだし」とありますので、どのへん

に虚構が仕込まれていたのか、それをわかるのを楽しみにしましょう。