ありえへん人

 昨日、9月13日の朝刊に民族・考古学者の加藤九祚(かとう・きゅうぞう)さんが
亡くなったとあります。94歳とありました。
 本日は、加藤九祚さんを追悼する意味で、代表的な著作「天の蛇」を手にして読ん
でおりました。これまでなんども拙ブログでは加藤九祚さんのことを話題にしていた
ように思いますが、最後は2013年11月にTV東京系「ありえへん世界の秘境」という
番組で、ウズベキスタンで遺跡調査を行う日本人学者として取り上げられていたのを
見てのことです。( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20131121 から数日間 )
 この番組で加藤九祚さんは健在で、ウズベキスタンで活躍していると知りました。
そのときでも、すでに90歳を超えていたわけですが、今回は今月の3日に立正大学
学術調査隊顧問として現地入りして、体調を崩し、7日から入院をしていたとのこと
です。亡くなったのは日本時間では12日未明とのことです。
 それにしても、94歳となってから飛行機を乗り継いで(ウズベキスタンのあの現場
にたどり着くのに、いったいどのくらい乗り継ぎをしていくことになるのでしょう。)
行くというのは無謀というしかありません。
 加藤さんは、もともとはロシアでもシベリア・極東が専門であったように思います
が、65歳となってから考古学に取り組み、ウズベキスタン南部で仏教遺跡の発掘調査
をすすめていたとあります。
 加藤さんは敗戦後にシベリア抑留となり、復員してから出版社勤務、大学教員を努
めながらシベリアものの翻訳、そしてニコライ・ネフスキーの伝記を手掛け、それの
仕上げにめどがついてから、考古学に転じたとことになります。
 94歳でウズベキスタンに赴くというのは、ここで亡くなるのであれば本望というこ
とであったのでしょうか。そういえば、TV番組で取り上げられていたのをみますと、
加藤さんのホームグランドは、ウズベキスタンという感じでありましたから。