旅の空から

 今回の旅の目的地である大阪に着きました。
 今回の旅にはバカランさんと「古書ミステリー倶楽部」という二冊の光文社
文庫を伴いました。往路でまず手にしたのは「古書ミステリー倶楽部」であり
ますが、これまでなかなか読むことができなかったいくつかの作品を読了です。

古書ミステリー倶楽部 (光文社文庫)

古書ミステリー倶楽部 (光文社文庫)

 早見裕司さんというはじめて目にする作家さんの「終夜図書館」という読み
にくい作品も、読みましたです。文庫版の1ページまるまるが改行なしで、続く
のですから、ずいぶんな文章です。
 この作品の主人公は「ジュニア小説」の作家で、また「ジュニア文庫の系譜」
という文章を書くひとであります。当方は、ジュニア文庫にはまったく暗いので
このところが興味深く読むことができました。
「ジュニア文庫全体を概観した文章は今までおそらくないのでこの原稿ではその
歴史を明らかにするとともに歴史に残すべき名著の何冊かたとえば今は桐野夏生
さんになった野原野枝実『急がないと夏が・・・」あるいは和智正喜さんの
『センチメンタル・ハイ』もちろん菊地秀行さんの『インベーダー・サマー』
と読み返したい本を読み続けまた今まで不当に評価の低かった花井愛子さんの
膨大な作品群を再評価するために十冊以上を一日で読み」
 とにかく句読点がないので、どこで切っていいのかですが、桐野夏生さんと
いう作家さんが、別名でジュニア小説を書いていたことも初めてしりましたし、
和智さんという作家も初めて知りました。
 解説で新保教授がかいていますが、「ジュニア小説という呼称にこだわる
著者の偏愛ぶりに圧倒されるが、おびただしいジュニア小説レーベルの羅列は、
異様な展開となる後半以上にホラー的」となります。
 書くだけじゃなく、ジュニア小説にはまる50台の男性というのは、どういう
ものであるかな。