旅の準備

 旅の準備と言えば、まずは旅行期間中の着る物はどうするかとか、土産はどうする
かとか、飛行機のチケットは持ったかということがありますが、このうちチケット
だけは様変わりしてしまって、チケットは決まった形のないものとなってしまいまし
た。ほかは忘れる可能性があるのに、チケットだけは忘れる可能性がぐんと低くなっ
ています。
 さて、今回の旅にどのような本をお伴にするかでありますが、もう半年以上も読み
ついでいるのは大きな本でありまして、半年で230ページくらいと、半分もすすんで
いません。これがハンディな本でありましてたら、今回の旅行に携行するのであり
ますが。
 やはりすっと持てる本がよろしでありまして、そうなると文庫本ということになり
ます。
 今から四十年ほど前に、京都と地元をいったりきたりしていた時は、当時の国鉄
利用していました。いまはトワイライトエキスプレスを利用しますと乗り換えなしで
の旅行ですが、その頃は青函連絡船をはさんで、ほぼ一日がかりの旅でしたので、
車中の携行本を用意するのは、たいへんでありました。
 車中で読んだもので印象に残っていますのは、マルケス百年の孤独」ですね。
いまではほとんど忘れているのですが、何度か読んだうちの一回は、当時の長距離
特急列車「白鳥」のなかで読みました。どのくらいのページを読み進んだかは忘れ
ましたが、今よりも座り心地のよろしくないシートにいて、読める本というのは、
よほどのものであります。
 今回は、まずはバラカンさんの文庫本ということになりそうです。