いやな感じ 2

 「いやな感じ」というのは、高見順の小説の題名からでありました。この小説は、
高見順が本妻と愛人との間でおろおろするというものではありません。以前に文春
文庫に入っていて、それで読んだ記憶がありますが、内容はすっかり忘れています。

いやな感じ (文春文庫 (249‐2))

いやな感じ (文春文庫 (249‐2))

 その昔から小説家で愛人がいたなんて人は珍しくはなかったでしょうし、作家が
そうした二重生活について書いている作品もけっこうありますでしょう。
そのように記して、どのような作品があったろうかと思いだしています。(当方が
そのような二重生活をしている作家のことをあまり好いていないこともあり、思い
浮かばなかったりします。)
 有名なところでは壇一雄さんとか太宰治さんなどがそうでしょうか。
 女性作家でいくと、岡本かの子さんなんていう大物がいましたですね。
 それじゃ、作家のお相手となった方で、それを書いた人なんていたでしょうか。
お相手は書いていないけど、その子どもさんたちが書いているなんてのはありまし
たね。
 どちらかというと秘すれば花の世界ですから、発表するとしてもひっそりと残す
というのが、その昔の流儀でしょうか。
 そういえば、意外な感じを受けますが沢地久枝さんにそのようなことがありまし
て、作品として発表しています。
遊色―過ぎにし愛の終章 (文春文庫)

遊色―過ぎにし愛の終章 (文春文庫)

 不倫は文化であるといった方がいらっしゃいましたが、結婚していてもいなくと
も、恋愛というのが創作欲をかきたてるのは間違いないようです。問題となるのは、
それによって傷つく人がいたり、書かれたものを読んでも後味がよろしくないと
いうことでしょうか。
 昨日話題にした本を当方が読む可能性はほとんどなしですが、いったいどういう
方が買われて読まれるのでありましょう。