小樽にゆかりの 4

「本の手帖」の結果として終刊号となった「瀧口修造特集」を手にしていましたら、
ついつい版元であった「昭森社」に気持ちがいってしまいそうになります。
 この「昭森社」は、戦後における詩書出版の孵卵器(インキュベーター)役を果た
したところでありまして、その主人 森谷均さんはたいへん重要な人物です。
「本の手帖」瀧口修造特集号の一番最後のページは後記ですが、ここに「お知らせ」
として、次の文があります。
「『本の手帖』は生みの親 森谷均の死により終結しましたが故人ゆかりの方々の
ご芳情によりその人柄と業績を偲ぶ追悼集の企てが進んでいます。
 多くのよき先輩・友人に恵まれ、わが道を歩んだ森谷均の半生はそのまま昭和の
出版史を飾る貴重な記録となりましょう。(『森谷均追悼文集』は『本の手帖』別冊
の形で近日刊行)」
 たぶん、当方が高校生くらいの時に、朝日新聞で「森谷均」さんが大きくとりあげ
られていて、それを切り抜きしてスクラップしていました。まだ森谷さんが健在の時
でありましたが、その後に、追悼文集がでたとは知ったのですが、これは普通には
流通しなかったはずで、当方は確保することができずで、ここまできておりました。
 今回、この森谷さんと「本の手帖」を話題にするにあたって、この追悼文集で検索
をしてみましたら、わりと安い値段で追悼文集を見つけることができました。
近々に手元に届くと思われますので、またそのうち、この追悼文集を話題にすること
もありますでしょう。
 ということで、「本の手帖」掲載の瀧口修造の自筆年譜に戻ることにいたします。