昨日からは、中公文庫の最新解説目録にのっているものを話題にしています。
林達夫さんから山口昌男さんの流れにあるものとして、最新のものはなんといっても
次のものでありましょう。
若い読者のための世界史(上) - 原始から現代まで (中公文庫)
- 作者: エルンスト・H・ゴンブリッチ,中山典夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/04/21
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はいっていたのは、山口昌男さんの「本の神話学」のおかげでありました。
そういえば、山口昌男さんが札幌大学での講義を一冊にした「学問の春」は、
ホイジンガの「ホモ・ルーデンス」をテキストにしています。これもまた中公文庫に
健在でありまして、この本の翻訳者あとがき(高橋英夫さん)には、林達夫さんのすす
めにより翻訳に取り組んだとあったはずです。
- 作者: ホイジンガ,高橋英夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1973/08/10
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かもしれません。その昔とくらべると、見えにくくなっていて、考古学のような発掘
作業が必要となるようです。
文学系では、谷崎潤一郎のものが他の文庫を圧倒しています。当然と言えば当然であり
まして谷崎全集といえば中央公論社でありますからね。現在の文庫では再編集していて
テーマ別で「ラビリンス」としていますが、ちくま文庫のように全集をそのまま文庫化
するというのもありだと思うのですがね。今では、そんなに売れないか。昨年に新書版
谷崎全集で「細雪」を読むことができたので、ついつい文庫版全集ということを思って
しまいました。
辻邦生さんのものも「背教者ユリアヌス」がずっと健在なほか、「嵯峨野明月記」が
あって、思いがけず「春の戴冠」が加わりました。作品数としては少ないのですが、
どちらも大長編で読みごたえがあります。これにあわせて佐保子夫人のものもどうぞと
いう感じですが、これは武田泰淳と百合子夫人を思わせます。
- 作者: 辻佐保子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
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どちらも人気ある作家ですが、保坂さんは小島信夫さんとの関係で関心があるも、まさ
なじむことができていません。堀江さんは、「回送列車」という表題で統一したエッセイ
が中公文庫よりシリーズ化しています。
- 作者: 堀江敏幸
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/06/01
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そうです。これの背表紙の色はグレーであります。堀江さん、中公文庫、グレーという
ことになります。