かなしい現実

 今年の初めに、行きつけの本屋のことを話題としたことがありました。
( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20130107 )
 この本屋が、2日前にとうとう力尽きて破産申請を行い、それと同時に業務停止となり
ました。創業40週年(はからずも中公文庫と同じでありますか。)と、比較的新しい
書店でありましたが、全盛期には市内に4店舗を構え、岩波文庫の新刊がきちんとはいる
当方にとっては心強い存在でありました。あまり購買力の強くない町で、このような
書店が可能となっていたのは、この書店のバックにあった卸が中堅であって、そこが相当
にてこ入れをしたことによると聞いたことがありました。
 全盛期には年間10億円ほどの売り上げがあったのが、近年は3億円まで売り上げが落ち
込んでいたといいます。
 この店で売れ残って不良在庫となっている岩波文庫、現代文庫を購入することで、すこ
しでも応援しようと考えていましたが、もちろん、小生のきまぐれでなんとかなるもの
ではありませんでした。次には、山口昌男さんの現代文庫を購入しようと思っていた
のでありますが、業務停止となる前に教えてもらえれば、これを記念に購入をするので
あったのにと、さびしくも残念に思っています。
 書店に限らず売れ行きが落ちて、何時閉店しようかと頭を悩ましているのが、地方の
小売りの現状であるようです。
 この店の閉店によって、当方のところから徒歩圏にある書店は、ほとんどなくなりま
した。リアル書店がなくなりますと、立ち読みという言葉が死語となってしまいます。