最近の本から

 そういえば、先日にアマゾンからのメールがありまして、あなたにおすすめの
一冊ということで中公文庫にはいった辰野隆(たつの ゆたか これでゆたかと読ま
せるのですか。)の新刊案内が届きました。たまには的を得たおすすめではないかと
にんまりしたのですが、これはいまだ書店で手にすることができていません。

 辰野隆さんの文庫といえば、ひさしく文芸文庫のものしかありませんでした。
どうして今頃に辰野さんの新刊かといえば、これは没後50年を経過したからである
ようです。当方の手元には、現代日本のエッセイと副題のついている、次の二冊の
文芸文庫がありました。
忘れ得ぬ人々 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

忘れ得ぬ人々 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

 文芸文庫の「忘れ得ぬ人々」には、谷崎についての文章は一本しかはいっていませ
んし、辰野さんには「谷崎潤一郎」という著作もあるのですから、これをあわせて
一本にするというのは、今年に関してはありですね。谷崎と辰野さんは年齢は谷崎が
2歳上ですが、旧制中学から一緒であったとあります。
 今年は中央公論社から久しぶりに谷崎潤一郎全集がでるということも、ありまして
それの販売促進につながる企画が中公文庫にはいってくれることを楽しみに待ちます
が、辰野さんに続いてとなるとなんでしょう。
 谷崎のところの書生であった大坪砂男のものは、すでに創元文庫でまとめてでた
からして、そうなると佐藤春夫のものか、あとは誰だろう。