いよいよ刊行開始

 本日の新聞に「谷崎潤一郎全集」決定版 全26巻の広告がでていました。
「いよいよ刊行開始」とあります。これは「中央公論新社 創業130周年記念出版」と
なるのだそうです。「中央公論社 創業130周年」というのであれば、もっとすっきり
するのですが、「新社」の「創業130周年」とつながると、つっこみをいれたくなりま
す。まあ、それはそれとして、全巻一時払い特価156,420円とありました。なんとなく、
めでたい出版物のように思えます。

谷崎潤一郎全集 - 第一巻

谷崎潤一郎全集 - 第一巻

 これの内容見本は、どうなるのかと思って新聞広告をみましたが、ここには記載が
ありません。つくっていないなんてことはないだろうよと検索をしてみましたら、
これはネット上にアップされていました。(すこしは印刷物としての内容見本もある
のでしょうが、これはどこで入手できるでしょう。それとも、各自ネットからプリント
せよということかな。)
 内容見本がおかれているのは、以下のアドレスとなりますが、決定版全集の刊行を
告げるだけではなく、2015年〜16年を「谷崎潤一郎メモリアルイヤー」と位置づけて
いろんな情報発信をしていこうというものになっています。
https://www.chuko.co.jp/special/tanizaki_memorial/
 このページを見ていただくとわかりますが、ここには谷崎没後50年、生誕130年と
ありました。ということは、中央公論社が誕生したのと、谷崎はほぼ同じ年という
ことですね。
 谷崎潤一郎全集といえば、これまで全集の背文字は、谷崎の書き文字で統一されて
いたのですが、決定版ではこれが継続されていません。装幀はミルキイ・イソベさん
とありますので、ずいぶんとモダンなものとなりました。
 さすがに、今回の全集でも旧かな(ただし新字)は守られました。まあ、谷崎の
作品は新古典でありますからして、岩波の黄帯収録のものに新かながない(はず)
のと同じ理屈でありましょう。
 文庫収録も古典作品は旧かなでよろしとするならば、大正以前の作品などは旧か
なのほうが落ち着くようにも思えます。