小説家になる! 2

 現在の当方の環境では、なかなか図書館へといって本を借りるということができなく
なっていることもあり、ブックオフで安価に手にしなくては、中条省平さんの本も見る
機会がなかったかもしれません。そうしたことからは、リサイクルブックショップと
いうのは、なかなか良いものであります。文筆家にとっては、迷惑なものであるかも
しれませんが、リサイクルブックショップも古本屋の一分野であるには違いありませ
ん。
「小説家になる!」のなかをのぞいているのですが、たまたま目にした第六講は
「やってよいこと、やってはいけないこと」となります。小説作法において、やって
いけないことはなにかということが、これの最初にあります。
「これから書かれる方に注意しておきますが、絶対にやってはいけないことは横書き。
これは文学賞の審査に出しても誰も読みません。最近、石黒達昌が科学のレポートと
して書かれたという形式の小説で横書きを使って話題を呼び、その後も繰り返していま
すが、このアイディアは一回こっきりのものです。」
 そういえば、最近に芥川賞を受賞した作品は、横書きで話題になりました。当方は
その作品を読むにいたっていないのですが、この横書きというのは、業界的には禁じ手
の一つといえるようです。この作品は横書きと、ひらがなの多用が話題となりましたが、
文学の権威の一人ともいえる人が激賞したことで、一気に芥川賞受賞作へとのぼりつめ
ました。
 「ちくま」2013年5月号に掲載の「人間、とりあえず主義」のなだいなださんは、
「横書き小説の意味」という文章で、この作品に疑問を投じています。