英才教育かな

 昨晩にTVを見ておりましたら、番組に登場していいた若い男性が、自分は両親から
英才教育を施されてといっていました。これが学歴エリートの発したものでありまし
たら、すぐにチャンネルを変えたでありましょうが、学歴エリートから遠い(?)と
ころで生きているような存在に興味をもって、ほとんど最後まで番組を見てしまい
ました。
 その番組は、NHKでやっていた「SONGS」でありまして、登場したのは
サカナクションという音楽グループの山口一郎さんであります。このグループは
北海道で誕生し、山口さんをはじめメンバーのほとんどは北海道生まれのようです。
山口さんの父親は、かって学生運動の活動家(?)であったようで、小樽に居住して
茶店を開いていたといってました。この両親が息子に施した英才教育は、本をたく
さん読むことであり(吉本隆明寺山修司などの本を読まされたとのこと)、テレビ
は見ないようにしつけられたといってました。
 子どもからすると、なかなかうっとおしい親と思ってしまいますが、山口少年は、
この教えに従っていたようです。学歴エリートに育てるのではなく、自分の頭で考える
ことができるように育てようとしたのでしょうが、これは集団の中で孤立する可能性を
はらみ、しんどいことであります。
 山口少年が、早くから詩を書き、高校生のころにバンドを結成して、自作の詩に
曲をつけて、それを持って生きることになったのですが、独特の言葉のセンスで、
同世代の若者たちにアピールしているとすれば、両親の英才教育は実を結んだと
いってもいいのでしょう。
 それにしても、この世代の口から、強く影響を受けた詩人は石原吉郎で、その詩が
自分を作っていると聞くのは不思議な気持ちになります。
すくなくとも、当方は、山口さんと同年代のこどもたちに対して、自分が影響を受け
た著作を読むようにといったことはなかったと思いますが、すこしは押し付けても
よかったのだろうか。