TUTAYA系のリサイクルブックショップで購入した三冊のうち、最後のものです。
久しぶりに講談社文芸文庫で百五円のものを発見しました。(大江健三郎さんのもの
などは見かけることがあるのですが。)
- 作者: 木山捷平
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/03/04
- メディア: 文庫
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ものがありません。かって一般文庫で刊行されていたものを再文庫化というのは、たしか
に文芸本を流通させるためにはいいのですが、その昔に一般文庫ででていたものを安価で
取り扱っている古書サイトがあったりしますので、もうちょっと違ったものでいいのでは
と思ったりしますが、超マイナーなものは売れないからしょうがないか。
木山捷平さんはあまりなじみがないのですが、自宅のどこかに旺文社文庫からでていた
ものがあるはずです。旺文社文庫は、赤尾の豆単とか蛍雪時代、学参であげた収益を
つっこんでなりたっていたものと思われますが、最近話題となった小山清さんのものも、
当方が最初に手にした文庫は旺文社でありました。かっての旺文社文庫を、いま探して
いる人は多いのでありましょう。
マイナーな作家が好きな人に木山さんは人気があるらしく「講談社文芸文庫」には、
何冊もはいっていますが、これまたマイナーな作家 岩坂恵子は木山さんの文芸文庫
の解説を書いたことで、「木山さん、捷平さん」という著書をだすにいたっています。
堀江敏幸さんの「日本現代文学の文庫本をめぐる五十の断章」にも木山捷平さんの
文庫本が登場します。
講談社文芸文庫「氏神さま・春雨・耳学問」についての堀江さんのコメントでありま
す。
「人が信用できるできないということを、どこで見分けたらいいのだろう。小沼丹の
随筆に、井伏鱒二の肝いりで開かれた、まだ売れない頃の木山捷平を『励ます会』の話
が出ている。勇気づけようと集まった面々に、当人は笑いながら『そんなこと言ったって
注文が来亡いんだからなあ』と言ったという。これを読んで、木山捷平は信用できるいい
作家だと私は思った。理由などない。そしてあらためて作品をたどり直し、いよいよ
その確信を強くした。」
当方が、最初に堀江さんのことを認識したのは、この「日本現代文学の文庫本をめぐる
五十の断章」の初出のときでありました。いまは、「振り子で言葉を探るように」に
収録されています。