最近の読書から 8

 大島幹雄さんによる「満州浪漫 長谷川濬が見た夢」の刊行とあわせるように、満州
時代からの文学仲間である秋原勝二さんの「作品集」が刊行されました。
いまどき、このような作品集を刊行する版元があるのかですが、これをだしたのは、
「編集グループ SURE」であります。

「SURE」のちらしには、秋原勝二さんの紹介があります。尾崎秀樹さんの本にも名前
はあがっていますが、その人となりについての言及はなしですから、とても地味な存在で
あったようです。(どうして、このような地味な方に「SURE」が注目をしたのかは、
この本を手にして見るしかないようです。)
 まずは、このちらしにある秋原勝二さんの紹介です。
「1913年(大正2)年、福島市生まれ。2歳で父、7歳で母を亡くす。
1920年10月ごろ、長兄とともに満州(現中国東北)に渡る。1926年、大連の満鉄育成
学校に入学。1930年、満鉄本社経理部に入社。1932年、大連で創刊された文芸同人誌
『作文』の同人に加わる。1933年、徴兵検査のために、7歳で満州に渡って以来、、
はじめて内地(日本の本土)の福島に戻り、故国の貧しさを目の当たりにしてショックを
受けるとともに、『故郷喪失』の思いを深くする。1939年、結婚、吉林鉄道局経理部に
転任。日本敗戦を経て、1946年9月、日本本土へ引き揚げ。福島での療養、岩手県での
林業勤務を経て、上京。
 1964年8月、戦時下の満州時代から休刊状態にあった『作文』の復刊に参加。
2010年5月、『作文』第200集を刊行。現在も『作文』を中心に、多くの小説や評論を
発表している。」