蘆原さんの著作は「サーカス研究」となっていますが、これは「序論」のような
ものでありまして、これから書いていきますよと宣言しただけで終わってしまって
います。本格的な著作を書くことなしに終わったのも蘆原さんらしいことであります。
この「サーカス研究」の目次は、次のようになっています。
第一章 サーカス渡来
第二章 クラウンについて
第三章 愉しやサーカス
第四章 サーカス批評
第五章 蘆原英了さんとサーカス
蘆原英了さんのこと 尾崎宏次
蘆原英了氏のサーカス・コレクション 宮坂逸郎
蘆原先生とサーカス渡来 阿久根巌
蘆原さんとサーカス道化の研究 山口昌男
ヨーロッパ民主芸術のチェチェローネ 田之倉稔
この第五章の作り方など、平凡社から刊行された「林達夫著作集」につけられた
研究ノートの趣であります。トップにおかれた尾崎さんは、演劇批評で知られた
方でありますが、一昨日に記しましたとおり「世界大百科事典」のサーカスの項目に
ついて蘆原さんのピンチヒッターとして担当された方です。
昨日に引いた山口昌男さん、田之倉稔さんと、どちらも林達夫スクールであります。