あ・じゃ・ぱん 4

「あ・じゃ・ぱん」は刊行されたときに、一度さらっと読んだのでありますが、
ほとんどまったくおぼえていなくて、記憶に残っているのは「アテンション・
プリーズ」という頻発するフレーズのみであります。
「ご案内のとおり」とかかれて、それにアテンション・プリーズとるびがふられて
おりました。アテンション・プリーズとは、ご案内のとおりということですか。
「突然、山間を縫うようにしてつづく白っぽい帯が現れた。
 自動車道路なら、もっとくねくねと山を上り下りしているはずだった。カメラが
ズームすると、帯はコンクリートの巨大な塀になり、濃い緑の景色を真っ二つに
分かった。数百メートルごとに灯台のような監視哨がそびえていた。カメラが
上昇した。塀は山を越え谷を渡り、地平線に溶けるまでつづいていた。」
 これが東経139度で国土を分断する塀であるとのことです。
 東日本=日本人民民主主義共和国ということになりますが、こちらは当方が居住
することとなる国であるものの、なんとも居心地の悪そうな国です。ここからの脱出
をはかるとすれば、どうするのかです。
どちらにしても、この作品を、いま読み返す価値がありそうです。